国分・日当山エリアで、遊んで食べて焼酎を学ぶ旅! |加治木エリア | 鹿児島本格焼酎を楽しむ みんなの鹿児島焼酎 | 鹿児島県酒造組合

鹿児島本格焼酎を楽しむ みんなの鹿児島焼酎

鹿児島県酒造組合公式サイト

蔵旅・体験

蔵旅・体験

KURATABI&EXPERIENCE

  • facebookでシェアする
  • twitterでツイートする
  • LINEで送る
国分・日当山エリアで、遊んで食べて焼酎を学ぶ旅!

国分・日当山エリアで、遊んで食べて焼酎を学ぶ旅!

鹿児島県本土の中央部に位置する霧島市。なかでも国分・日当山は、豊かな歴史と雄大な自然に恵まれたエリアとして知られ、土地の特性を活かした魅力的なスポットや美味しいグルメが盛りだくさんです。今回は「遊んで、食べて、学んで」をテーマに、歴史ある蔵元やスポットを巡り、心躍る旅へとご案内します。

伝統を紡ぎ、新たな挑戦を続ける蔵
―日當山醸造―

まず訪れたのは、歴史深い焼酎蔵・日當山醸造。入口には、代表銘柄「アサヒ」の旗が優雅に揺れ、私たちを温かく迎え入れてくれています。

今回案内していただいたのは、焼酎造りに31年携わってきた酒造部部長の濱崎真さん。蔵見学の前に、日當山醸造の歴史について紹介していただきました。

日當山醸造は大正9年に創業し、105年の歴史を誇ります。教員だった濱崎さんの祖父、濱崎直二さんの「自分で焼酎を造りたい」という情熱が、近隣の有志と共にこの蔵を設立するきっかけとなりました。当時は畑と田んぼに囲まれた小さな小屋で、独学で焼酎造りを始めたそうです。その直二さんの情熱とこだわりが、今や全国にファンを持つ本格芋焼酎「アサヒ」を生み出しました。ロック、水割り、お湯割り、どれも楽しめますが、濱崎さんによると、長年のファンの中には冷たい牛乳と合わせる方もいるとのこと!

霧島の山に朝日が昇るイメージが施されたラベルは、最近ではより明るさを表現したデザインに。

霧島の山に朝日が昇るイメージが施されたラベルは、最近ではより明るさを表現したデザインに。

長い年月を経て今もなお愛され続ける「アサヒ」ですが、近年は進化を遂げています。「アサヒ」と言えば、オレンジ色のラベルのイメージが強いですが、現在では4つの商品が展開されています。

1つ目は「アサヒ ゴールド」。手仕込みにこだわり、気品あふれるプレミアムな芋焼酎です。2つ目は、「アサヒ ピンク」。シルクスイートを使用しており、やさしい甘さとフルーティーな香りが楽しめます。3つ目のオリジナルの「アサヒ」は、創業以来変わらないコクとキレを持ち合わせる薩摩焼酎らしい味わいです。そして最後に、「アサヒ ブラック」。黒麹を使用し、芋本来の甘味や旨味を感じながら、まろやかな口当たりで飲みやすい焼酎に仕上がっています。

歴史ある、蔵を見学させてもらいました。まずは一次仕込の現場。建物の2階に上がると、まさに作業の真っ最中。「米麴を発酵させる一次仕込では、温度管理が最も重要ですね」と濱崎さん。特に暑い時期には温度が上がりやすいため、こまめに様子を見て調整を行っているそうです。

一次仕込の現場

一次仕込の現場

一次仕込の現場

続いて、「芋洗い」「芋切り」の工程へ。途中、黄金千貫が入った袋がずらりと並び、なかなか目にすることがない光景に出会いました。天候や日射時間によって品質が変わりますが、濱崎さんによると、今年の黄金千貫は出来が良さそうとのこと。

並んでいた黄金千貫は全部で6tほど!

並んでいた黄金千貫は全部で6tほど!

並んでいた黄金千貫は全部で6tほど!

中に入ると、ベルトコンベヤーで黄金千貫が運ばれていきます。土を洗い落とした後、品質を人の目で見極め、手作業でひげを切っていきます。大変な作業ですが、二次仕込、そして焼酎の出来栄えに影響を与えるため、丁寧に行われています。その後、芋たちは芋蒸し器へと運ばれます。ちなみに、見学の1日前には「アサヒ ピンク」のシルクスイートを蒸しており、その日は甘い香りが蔵中に広がっていたそう!

見極めながら芋切りを行う姿は、まさに熟練の技を感じさせる

見極めながら芋切りを行う姿は、まさに熟練の技を感じさせる

見極めながら芋切りを行う姿は、まさに熟練の技を感じさせる

出来上がった焼酎を瓶詰めする現場にも案内していただきました。瓶詰された焼酎は2回の検品を合格した後、ラベルが貼られ出荷されます。今年出来上がった焼酎がどんな仕上がりになるのか、とても楽しみですね。

瓶詰めライン

瓶詰めライン

最後に、アサヒシリーズをテイスティングさせていただきました。4つのシリーズそれぞれの香りや味わいの違いを、濱崎さんの丁寧な解説を聞きながら飲み比べをする贅沢な時間。「アサヒ」に関して、「昔の『アサヒ』は辛いというイメージかもしれないが、今はまろやかな味わいです」との濱崎さんの言葉通り、薩摩焼酎らしさを感じつつ飲みやすい味わい。時代の流れとともに、伝統の味も進化していることを実感しました。

「アサヒ ゴールド」は、男性はもちろん、ぜひ女性にも楽しんでほしいと濱崎さんが勧める一品です

「アサヒ ゴールド」は、男性はもちろん、ぜひ女性にも楽しんでほしいと濱崎さんが勧める一品です

「アサヒ ゴールド」は、男性はもちろん、ぜひ女性にも楽しんでほしいと濱崎さんが勧める一品です

伝統の味を引き継ぎつつ、新たな挑戦を続ける日當山醸造の皆さん。これからの焼酎造りに期待が高まるばかりです! 

観光・グルメ・ショッピング|日当山西郷どん村

日當山醸造から南に車で4分下ると、「日当山西郷どん村」が見えてきます。日当山とゆかりのある偉人といえば、幕末から明治にかけて活躍した「西郷隆盛」。ここ日当山に、西郷隆盛公は度々訪れ、温泉や狩りなどを楽しんだというエピソードが多く残されています。

無料で利用できる足湯。物産館にてタオル販売もしている。

無料で利用できる足湯。物産館にてタオル販売もしている。

無料で利用できる足湯。物産館にてタオル販売もしている。

日当山西郷どん村には、西郷隆盛公が日当山を訪れた際に宿泊していた龍寶りゅうほう家を基に建設された「西郷どんの宿」や、彼が馬をつないだといわれる「西郷どんの一ツ葉(イヌマキ)」、さらには「日本庭園」があります。また、すぐ近くには日当山温泉の湯を引いた足湯が楽しめるスペースも。美しい日本庭園を眺めながらリラックスしたひとときを過ごすことができます。

併設の物産館「日当山無垢食堂」にやってきました。ここは、地元食材を中心としたレストランと特産品販売所が揃っています。

特産品販売所では、地元の「よかもん」(鹿児島弁で「いいもの」という意味)を存分に味わってほしいという思いから、霧島を中心に選りすぐりの商品が揃っています。農産物コーナーには、霧島の土地で地元農家が大切に育てた、栄養たっぷりな旬の食材が並んでいます。地元の焼酎を中心としたお酒コーナーもあり、焼酎に合うおつまみも多数揃っています。

販売されている旬の素材をたっぷり使った「できたて 無垢食堂の手作り弁当」も大人気で、お昼前に完売してしまうこともあるほど!中でも一番人気は「にんにく醤油からあげ弁当」。にんにくの風味がしっかり効いた、食べ応え十分なお弁当です。

また、リピーターさんの人気を集めているのが「無垢食堂のがね」。「がね」とは、特産品のさつまいもや野菜を太めの千切りにし、衣をつけて揚げた鹿児島の郷土料理です。その見た目が「かに(鹿児島弁でがね)」に似ていることから、この名がついたそう。鹿児島らしい甘めな味わいが、子どもから大人までやみつきになる逸品です。

お弁当の種類も豊富

お弁当の種類も豊富

隣接する「日当山無垢食堂」のレストランでは、物産館で販売している旬の食材を使用した手作り料理を提供しています。メニューは旬の食材によって随時更新されるため、訪れるたびに最高の美味しさに出会えますよ!

今回セレクトしたメニューは「副菜全部盛りセット」1,500円

今回セレクトしたメニューは「副菜全部盛りセット」1,500円

景勝地|国分城山公園

国分エリアに足を踏み入れると、ひとやすみにぴったりな「国分城山公園」を発見!北に霧島連山、南には桜島の雄姿と波穏やかな錦江湾が広がり、高さ192mの高台からは眼下に国分平野の素晴らしい景色が望めます。青空の下、雄大な景色に心がほっこりと癒されます。

園内には、展望台、観覧車、ゴーカート場など、子どもから大人まで楽しめる施設が揃い、1日中いても遊び足りない魅力的な公園です。

手造りの誇りをもち、新たな味わいを追求する小さな蔵
―中村酒造場―

国分城山公園から車で走ること15分、住宅街が広がる場所に突如として現れる赤いレンガ。明治21年(1888年)の創業以来、変わらぬ場所で焼酎造りを行っている中村酒造場にやってきました。

事務所には素敵なお写真が飾られていました

事務所には素敵なお写真が飾られていました

現在6代目の中村慎弥さん。小さい頃から5代目であるお父様の焼酎造りを見て育ちました。お父様からは「焼酎蔵は継がなくていい」と言われていたものの、慎弥さんが高校3年生の夏にある転機が訪れます。2000年代の当時は、街中は焼酎ブーム。中村酒造場の手造り焼酎が注目を集め、さらに「なかむら」が鹿児島県本格焼酎鑑評会で最優秀賞を受賞したことで、多くの人に味わってもらえるようになりました。その状況に、焼酎造りの苦労などを知る中村さんの祖父にあたる4代目は、焼酎蔵を眺めながら涙を流していたそう。そして慎弥さんは「ここで途絶えさせてはいけない」と決心し、醸造を学ぶため東京農業大学へと進学しました。

中村酒造場の焼酎銘柄ラベルには「手造り」の文字が輝いています。実はこの「手造り」を名乗るためには厳格なルールがあり、クリアしたものだけが記すことができるのです。機械が発達し多くの蔵が取り入れる中、中村酒造場は「昔ながらの製法に近づくため」「追い求める美味しさを追求するため」との想いから、手作業を大事にされているのです。

いつか見学に来た方が試飲を楽しめるスペースを作ることが中村さんの夢だそう

いつか見学に来た方が試飲を楽しめるスペースを作ることが中村さんの夢だそう

いつか見学に来た方が試飲を楽しめるスペースを作ることが中村さんの夢だそう

蔵見学では、まず特長的な赤レンガと煙突が一望できる場所へ案内していただきました。これらは戦争を乗り越え、136年の歴史を刻んできた中村酒造場のシンボルとなっています。また、蔵へ向かう途中に明かされた秘密のひとつが「水」。中村酒造場では霧島連峰から流れる地下水を汲み上げているそう。その自然の恵みが、中村酒造場の焼酎の味を支える重要な要素となっているのです。

蔵の中に入ると、案内されたのは「麹室」。中村さんのこだわりの一つが「麹」で、部屋に入ると驚くことに機械が全くありません。「機械がないとできないと思っているのは、それが現代では当たり前になってしまったから。昔の人はそれをできていたのだから、できないはずがないんです」と話す中村さんの言葉や表情からは、手作業で造ることへの楽しさと職人の誇りを感じました。

「麹にこだわることは、お寿司でいうと、ネタではなくシャリの違いにこだわっているようなものです」という中村さんの例えは絶妙でした

「麹にこだわることは、お寿司でいうと、ネタではなくシャリの違いにこだわっているようなものです」という中村さんの例えは絶妙でした

中村酒造場にしか出せない味を求めてきた中村さんが目を付けたのは、伝統を紡いできたこの蔵でした。この蔵に住みついている菌がいると考え、麹室で自ら研究を重ねています。実は大学卒業後に山形県にある日本酒の蔵で修業を重ねた中村さん。その時の知識や経験を活かし、常に麹に対して探求心を持ち続けています。

中村酒造場の各銘柄についてもお話しいただきました。「祖父たちの時代から飲まれてきたお酒だから、どこかなつかしさを感じるような、でも毎日飲んでも飽きることのない1本です」と紹介していただいたのは「玉露」シリーズ。創業当初から伝統の製法で造られており、地元の人々に長年親しまれてきた焼酎です。「なかむら」は、良質な素材にこだわる5代目の努力によって誕生した焼酎。シルキーで上品な香りと味わいが楽しめる逸品です。

焼酎の成り立ちなど、興味深いお話ばかりでした

焼酎の成り立ちなど、興味深いお話ばかりでした

焼酎の成り立ちなど、興味深いお話ばかりでした

最後に紹介いただいたのは、6代目の中村さんが取り組む新しいシリーズ。蔵の中に住む微生物の力を活かし、新たな香りや味わいを生み出しています。一見焼酎と感じさせないラベルは、焼酎造りの芸術性を表現しているとのこと。実際に造られたお酒の感想を基に、画家に描き下ろしてもらっているそうです。テイスティングした「Flare(フレア)」は、芋焼酎ながら、ウイスキーのように2回蒸溜して香りを際立たせており、ハイビスカスのような心地よい香りを楽しめます。中村さんのお気に入りの1本でもあり、手元にも残り僅かしかないことに名残惜しさを感じているそうです。

新シリーズのお酒は、まるで野菜の旬のように微生物にも最適な時期があるため、8月下旬~9月上旬でしか作れないんだとか

終始、中村さんの焼酎や蔵に対する情熱をひしひしと感じるひとときでした。「中村酒造場のお酒を飲んで、霧島・鹿児島に行きたいなと思ってくれたら嬉しい」と語る中村さんの言葉が心に残ります。これから中村さんが生み出す焼酎が、ますます楽しみです!

ショッピング・体験|薩摩錫器工芸館 (錫の殿堂岩切美巧堂)

薩摩の偉人からも愛された、鹿児島の伝統工芸品「薩摩錫器」を制作している「薩摩錫器工芸館」を訪れました。「ショールーム薩摩」では、常時500点の作品が展示・販売されており、その魅力を存分に感じることができます。今回は、専務取締役の岩切さんに案内していただき、貴重なお話も伺いました。

酒器だけでも種類豊富に揃っています

酒器だけでも種類豊富に揃っています

錫は、現在は輸入が主流ですが、かつて鹿児島市の谷山からも採掘されていた、鹿児島に身近な金属です。その特性は魅力的で、柔らかいため割れにくく、非常に耐久性があり、錆びることもありません。また、ガラスや陶器とは異なり、イオン効果や抗菌効果が高く、お酒がまろやかになると言われています。まさにお酒を楽しむための理想的な酒器ですね。「鹿児島の方と県外の方では選ぶ酒器の大きさが異なり、どんなお酒が好まれているのかが分かりますよ」と教えてくれた岩切さん。地域による嗜好が垣間見えるのも、面白い発見です。

錫が生み出す美しい輝きに、思わず見惚れてしまいます

錫が生み出す美しい輝きに、思わず見惚れてしまいます

錫が生み出す美しい輝きに、思わず見惚れてしまいます

薩摩錫器工芸館で制作された「薩摩錫器」は、国の「現代の名工」や、「かごしまの特産品コンクール 鹿児島県知事賞」など、数々の賞と認定を受けています。手作業で丁寧に作られた錫器は、現在に至るまで皇室献上品としても重用されてきました。伝統技術と美しさが融合した逸品は、使う人々に深い喜びをもたらすことでしょう。今夜は、薩摩錫器で特別な一杯を楽しむのも素敵ですね。

虹と共にお見送りしていただきました!

※本記事の情報は、取材当時のものです。

黒じょか
蔵旅・体験

蔵旅・体験

KURATABI&EXPERIENCE

Copyright © 2024 Kagoshima Shochu Makers Association.