老舗蔵元を率いる若く熱き新杜氏
東シナ海を臨む吹上浜にほど近い、鹿児島県日置市日吉町に蔵を構える小正醸造。
創業明治16年の老舗蔵元を取り仕切るのは、杜氏となり3年目を迎える大牟田和宏さんです。
地場産業を通じて地元への恩返しがしたい、と、高校卒業と同時に飛び込んだ焼酎の世界。
長年小正醸造の蔵を率いた先代杜氏・笠野美好さんの背中を追いかけるうちに、日本一の焼酎造りにこの身を捧げよう、と心に誓ったのが二十歳の時。それからがむしゃらに蔵人として歩みを始め、ついに2018年、新杜氏を拝命します。
焼酎は造ることがゴールではなく飲んでもらってこそ。そして、飲んでもらって評価をいただけることが何よりのやりがい、とはにかみながらも語る横顔には、早くも日本一の焼酎造りに向けた自信が垣間見られます。
小正醸造御用達の新鮮親鳥タタキと焼酎で、乾杯
大牟田杜氏がおすすめする「杜氏の肴」は、蔵元からほど近くにある精肉専門店「まこと屋」の「親鳥タタキ」。
地元鹿児島や宮崎から仕入れた味わい深い種鶏を使い、注文ごとに皮目に炙りを入れるこだわりの一皿。
しっかりとした歯ごたえがありながら、噛むほどに甘みが感じられます。
杜氏のおすすめは、小ねぎや玉ねぎスライスなどの薬味をたっぷり添えて、にんにく醤油を合わせる食べ方。
肴に合わせる一杯は、端麗辛口のすっきりとした味わいが鶏の脂と相性の良い、小正醸造代表銘柄の「さつま小鶴」。
夏場は水割り、冬はお湯割りで、どっしりと濃いめに割るのが杜氏流。
焼酎造りは芋や麹など生き物相手。仕込み中は常に緊張を強いられる中、上は中学生から下は2歳の5人の子どもたちが待つ家で、肴と共に焼酎グラスを傾けて疲れをリセットするのが何よりも楽しみです。
「親鳥タタキ」の精肉専門店「まこと屋」は、昭和55年から日吉の地で営業を続ける老舗食肉店で、実は小正醸造社員のご実家。
店主ご夫婦二人三脚で長年営んできたあうんの呼吸で、鮮度が命の商品たちを真心こめて丁寧に仕上げます。
親鳥タタキ以外にも、近隣の江口浜漁港のシラスと豚ミンチ、野菜をたっぷり使ったコロッケやひとつひとつ手仕込みするチキンカツなども人気。
小正醸造蔵元見学の帰りには、ぜひまこと屋にも立ち寄って、本格焼酎「さつま小鶴」との組み合わせをお楽しみください。
まこと屋
TEL:099-292-4166
営業時間:7:00〜18:30
定休日:第1、3火曜日