生産者の顔が見える、小正の焼酎造り
日置市に蔵を構える小正醸造の歴史は、明治16年に遡ります。
その始まりは神社の神酒造りにあり、以来、令和に至るまでひたむきに焼酎造りに取り組んでいます。
小正醸造のこだわりは、「生産者の顔が見える焼酎造り」。
素材が生まれるさつまいも畑から焼酎グラスまで、安心・安全に美味い焼酎をお届けしたいーその想いから、地元生産農家との密接な関係を育み、さつまいものプロフェッショナルである生産農家との会話をきっかけに自社のさつまいも畑を始め、今では蔵人総出による収穫が恒例行事となっています。
さつまいも生産農家との出会い、そしてつながりは、素材への向き合い方だけでなく焼酎造りへも大きな影響を与え、極力機械の力に頼らず蔵人の手作業による焼酎造りを行う師魂蔵、そして、そこで生まれる銘柄「蔵の師魂」の誕生へと辿り着きます。
先代に見守られながら伝統を繋ぐ焼酎蔵
手づくりの蔵・師魂蔵は、「薩摩に伝わる伝統的な焼酎造りを後世に」という想いから、1999年より始まりました。
仕込み時期となる9〜12月は、鹿児島ではまだ夏日もある暑い時期。師魂蔵では、そのような中でも手仕事による作業にこだわり、五感を使って焼酎造りに取り組みます。
師魂蔵の中には先代の名を冠したかめ壺が並び、その年の仕込みを見守っています。
師魂蔵では見学にも対応しています。ぜひ仕込みの時期に、蔵人の手仕事による焼酎造りをご覧ください。
喜びを共に創る
商品の味わい・香り、といった付加価値を高める「熟成」。
小正醸造は、米焼酎「メローコヅル」でいち早く焼酎に熟成を取り入れたことでも知られています。
鹿児島県内では唯一とされる横型蒸留器による伝統的な製法を守り続ける一方で、1957年の「メローコヅル」発売当時には考えられなかった手法をそれまでの歴史や製法に捉われずチャレンジした姿勢は、現代にも脈々と受け継がれ、さつまいもなどの素材と様々な麹を組み合わせて特徴を引き出した赤猿を始めとする「猿」シリーズや、ワイン酵母によるバナナの香りが楽しめる「小鶴 the Banana」といった銘柄への取り組みへとつながっています。
きりりとした味わいが長く愛されている代表銘柄の「さつま小鶴」を大切にしながら、焼酎の可能性に挑戦を続ける小正醸造の姿勢は、生産農家、蔵人、そして何より焼酎を愛する全ての人々の「喜び」を共に創る歩みとなっています。